Ritot~iWatchの影を薄れかねさせない未来型腕時計の登場

iWatchはiPhoneのアップル社からの提供が期待されているウェアラブルコンピュータであり、 Google Glassなどで活気付く此の分野に於ける決定打になるのではないかと数年前より言われ続け かたむき通信にも以下主要な関連記事を挙げるように幾度か扱って来もしました。

2013年2月24日の記事では特許関係の内容ですが、其の記事とソースを同じくするのは Apple Insider が昨日またアップル社のiWatch関連と思われる特許について記事[※1] をものしてもいます。 iTime と称するデバイスの此のアップル社が取得した特許には腕時計のストラップタイプの形をして GPSやNFCにブルートゥース、生体反応や加速度計のど様々なセンサーを搭載し、 噂されるiWatchに欠かせない機能郡と言うことでメディアも挙って取り上げる処[※2・3・4] となっています。

しかし斯うしてアップル社が何年もの間うかうかしている間に ウェアラブルコンピュータの本命たる腕時計型デジタルデバイスの主役の座を奪われてしまうかもしれない事態が出来しました。 Ritot[※5] の登場です。

Ritot - the first projection watch. Indiegogo
Ritot - the first projection watch. Indiegogo

先鞭を付けるべくして登場した未来型腕時計は Ritot と呼ばれています。 開発者のYouTube動画を見ると リト と発音されるようです。 クラウドファンディングとして Kickstarter と並び称される Indiegogo でプロジェクトが公開され出資金が募られているのでした。

2013年7月10日に其のアイデアが公開されるや忽ち話題を呼び、 日本のオンラインメディア[※6] を始めとする様々なガジェット好みのブログなどにも取り上げられる処となりました。

此の斬新な新プロダクトの先ず何より目に付く特徴は情報の表示法に 極小のプロジェクタを採用していることです。 左のIndiegogoの写真に見られるように 此のプロジェクタの照射先を身に付けた者の手の甲としているのは発想の転換として良いでしょう。

常々身に纏うウェアラブルデバイスは其の成り立ち故に物理的に占める空間が極小であることが求められ 必然的に表示のための空間も其の占める物理的空間を上限としてしまうため、 近年スマートフォンも大型化の一途を辿る様相を呈しています。 其処でRitotに於いてはでは表示空間をデバイスの外側に追い出してしまおう、というものでした。 此のアイデアは例えばPCのキーボードなどにも机にキートップを映じるものなど創出されましたが 腕時計型デバイスに於いてはスクリーンを手の甲に求める発想はなかったように思います。

手の甲をスクリーンとする発想の転換を以ってRitotはデザインの自由度を手に入れました。 従来の腕時計型ウェアラブルデバイスと言えばサムスン社の GALAXY Gearギャラクシー・ギア[※7] に典型的に見られるようにどうしても無骨なものとならざるを得ませんでした。 しかしRitotに於いては其のデザインはアクセサリーとしてのブレスレットにしか見えません。 而してRitotにはブレスレット型とスポーツ型の2種類の形態が用意され、 色は実にバリエーション豊かなカラフルな品揃えとなってファッショナブルな印象を与えるのに成功しています。

またRitotは中身はデジタルガジェットであるのは確かなこととて 機能は時を刻み知らせるのみならず、現在流通するスマートウォッチ群に劣らぬ機能を有します。 メールは勿論Twitter、FacebookなどSNSに於けるコミュニケーションを利用出来るものとなっているのです。 百聞は一見に如かず、公式に用意されているYouTube動画を下にシェアします。

Ritot(2014年10月時点で動画は削除されています。)

このRitotのセンセーショナルな登場にiWatch開発陣は慌て狼狽し対応が求められている気がしてなりません。 iPhoneを愛好する人々がアップル社に期待し其れが故にiWatchに厳しく求められる何かがRitotには宿っているでしょう。 機能性をスポイルしないデザイン性、持つ者の生活を豊かにする創造性、所有欲を満足せしめる豪奢感、 此れ等が統合して潜在顧客の食指を動かしめる期待感の高まり、 全てアップル社iWatch開発陣が求められるが故に求めて已まない属性と言えるでしょう。 翻り更に穿ってみればRitotの技術を手に入れるべく買収の打診をしているのではないかと言う、其のような気まで起こさせる、 其れ程のインパクトを持ったニューカマーであるのではないでしょうか。 即ち多くの人々がRitotがiWatchとして登場しても何も疑わない、と言うことです。

衝撃的なRitotは此処迄述べて来た如く極めてデジタル的なデバイスではありますがしかし デジタルガジェット好事家のみならず、 機械式腕時計が嘗ては其の精巧緻密さから時代の最先端を行くガジェットであったことを鑑みれば 機械式腕時計の愛好者の腕にも此のRitotは似合い、 精神的満足を齎すかも知れぬように思えます。

只今クラウドファンディングINDIEGOGOの当該ページ[※8] を見れば31日を残した今日現在で 目標の5万米ドルを遥かに上回る43万3千米ドルを超える出資が申し込まれており、其の製品化は決定している処か、 今尚其の出資額を伸ばしています。 製品化された際には160米ドルの此の商品に今申し込めばブレスレット型若しくはスポーツ型どちらか1本が提供されていますので、 自らの手の甲に未来の時間を映し出したい向きには準備万端整っている按配です。 1本と言わず200米ドルなら2本285米ドルならば3本、450米ドルならば5本、800米ドルならば10本、 一層のこと販売店、代理店を始めようかと言う向きには20本で1,450米ドル、50本で3,400米ドルのコースも用意されています。

120米ドルで1本にても同梱物には此れ又デザイン的に優れ、 此れ一つでさえ記事にしても宜しかろうと思わざるを得ない 主に充電器足る役目を果たす RITOT BASE が含まれており120米ドルは2014年7月23日現在ならば1万2千円ほど、 クラウドファンディングとは思えぬ意欲的な価格設定に却って危惧を抱かれ兼ねないかと思われる程で 順当に行けば成功の確率は高いように思われ、 世に順調に普及すればまたかたむき通信にも扱いたく思うのです。

追記 (2014年10月1日)
実に魅力的に仕立てられたクラウドファンディングプロジェクトに於いては出資者は用心して掛かるべきである旨の言説が昨今増えて来たのは クラウドファンディングに於いて詐欺が横行している状況を表しています。 Ritotプロジェクトに於いても例外ではなく辛辣な記事[※9] がTechCrunchから John Biggs 氏の文責で配信されています。 題目にも 不可能なプロジェクション腕時計 と明言され、製品の実現性を鑑みれば大きな赤旗を掲げるしかないと迄主張しています。 此の魅力的なプロジェクトは氏の身近にも度々話柄に上ったようで其の度に氏は疑義の意を強くしたのでした。 プロジェクトが目的の出資額を達成した後、本拠地をウクライナから米国へ移したことも氏の疑念を深めます。

実際に製品の存在しない時点では画像及び動画編集で拵えられた訴求力のあるコンテンツをプレゼンテーションに用いるのは一般的な手法です。 上のRitotが提供する画像もプロジェクション映像を手の甲に映じている場面は画像編集ソフトを用いているでしょう。 此れを現実のものとする為に多大な労力が割かれ其れが為に支援者は出資を申し出る構図がクラウドファンディングの骨子ともなるのでした。 複雑な形状を成している手の甲に人の目に判別明瞭な映像を齎すのは実に ソフトウェア的にもハードウェア的にも実に厳しい現実を乗り越えなければならないでしょう。 本記事冒頭に引き合いに出した巨大IT企業アップル社の噂のiWatchも2014年9月9日カリフォルニア州クパチーノに Apple Watch[※10] として現実のものとなった際も実現性を踏まえた謂わばオーソドックスな形に落ち着きもしています。

クラウドファンディングに於ける障害案件として KickstarterRing[※11] が遅延続きで炎上を余儀なくされました。[※12] John Biggs氏曰く、クラウドファンディングはギャンブルであり、よくよく詐欺か否かを熟考すべきだと。 Ritotプロジェクトは本記事を配信2014年7月23日時、成功の確率を高く見積もった通り順調に出資額を増し、 遂には2014年9月26日、145万2千204米ドルと言う目的額の30倍にも上る合計出資を7千人もの人々から得られました。 2014年10月現在日本円に換算して約1億5千800万円程の金額です。 出資者への出荷開始は来年2015年1月後半から2月に掛けてとIndiegogoの当該ページ[※8] には記されています。 しかし成功するだろう資金調達と同時に意欲的な価格設定に抱いた危惧も現実のものとなりつつあり、 経緯を見守り度思うと共にクラウドファンディングプロジェクトに出資する際には思慮深く有るべきだと考えます。

使用写真
  1. Ritot - the first projection watch.( photo credit: Indiegogo
  2. Ritot(YouTube)
参考URL(※)
  1. Apple granted comprehensive 'iTime' smartwatch patent with in-strap circuitry, arm gesture support(Apple Insider:2014年7月22日)
  2. Apple scores patent for 'wrist-worn electronic device'(CNet:2014年7月22日)
  3. Apple 'iTime' patent details a modular smartwatch with sensors in the band(Engadget:2014年7月22日)
  4. USPTO Grants Apple An iWatch Patent(TechCrunch:2014年7月22日)
  5. Ritot - first projection watch.(Ritot公式サイト)
  6. 【やじうまWatch】その発想はなかった、手の甲に時刻を投影するプロジェクター付スマートウォッチ(INTERNET Watch:2014年7月10日)
  7. 腕時計型アンドロイドGalaxy Gearの発表とBluetooth SMART(かたむき通信:2013年9月6日)
  8. Ritot - the first projection watch.(Indiegogo)
  9. The "Impossible" Projection Watch Hits $1.4 Million In Crowdfunding(TechCrunch:2014年9月30日)
  10. Apple Watch正式発表~iWatch関連記事インデックス(かたむき通信:2014年9月28日)
  11. Ring : Shortcut Everything. by Logbar inc.(Kickstarter:Funded! This project was successfully funded on April 4, 2014.)
  12. 人気クラウドファンディング「Kickstarter」でトラブルが頻発(ハーバービジネスオンライン:2014年9月4日)
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