腕時計型アンドロイドGalaxy Gearの発表とBluetooth SMART

訴訟騒ぎも喧しく台湾勢の追い上げも激しくあれば些か勢いが衰えたとは言えまだまだ世界的に見て日本勢に対しては圧倒的、 アップルに比肩し得る勢力を保つ SAMSUNGサムスン 社が本日2013年9月6日よりドイツはベルリンで催されるコンシューマ・エレクトロニクス及びホーム・アプライアンスに於ける世界最大の見本市 IFA (Internationale Funkausstellung)の直前4日に UNPACKED IN BERLIN と称するイベントを開催し以下新製品の発表の運びとなりました。

Samsung Electronics Introduces GALAXY Gear and GALAXY Note 3 at Samsung Mobile Unpacked in Germany photo credit by Samsung Newsroom
Samsung Electronics Introduces GALAXY Gear and GALAXY Note 3 at Samsung Mobile Unpacked in Germany photo credit by Samsung Newsroom

リストに付随せしめたのはかたむき通信に取り扱った関連記事です。 孰れも代を重ねる人気機種である証左ですが、最後の GALAXYギャラクシー・ Gearギア には関連記事がありません、と言うのも此れは今回発表された全くの新機種になるからです。

サムスン社製の新型スマートウォッチの噂は多く囁かれてもいました。 其れが遂に現実となって姿を顕したのでしたが、 3インチ画面や4メガピクセルのカメラと言う些かオーバースペックであった 噂とはかなり異なる機能や仕様の現物に戸惑う様子を見せる記事[※1] もあります。 中にも驚くべきなのは既に70ものサードパーティに依るアプリの用意ともされており、 現在大人気のLINEは勿論、EvernoteやFeedlyも其れ等の内の一つと伝えられます。 無骨(a relatively clunky design)とも表現される其のフォルムが端的である如く サムスン社は実用性を求めたのかも知れません。

ウェアラブルコンピュータとしても注目のスマートウォッチは今迄にも数多く世に送り出され、 腕時計 をカテゴライズするかたむき通信にも 以下に見るリストなど多く記事にして来た処です。

各メディアが取り上げるには様々な機能が紹介されますが、 上のかたむき通信が取り上げてきたスマートウォッチと比較して GALAXY Gearには一つ見逃せない仕様があります。 基本ソフトウェアにGoogle社の開発する Androidアンドロイド の其れも最新のバージョン 4.3 が採用されているのです。

世の中では未だ朧気にも姿形を見せぬ次期バージョン4.4が其のコードネームを ネスレ 社とコラボレーションして Kit Kat と呼ぶ[※2] としただけで騒がれると言う歪な様相を呈していますが、 此れから普及していく筈の4.3はコードネームこそ4.2から其の儘 Jerry Bean を引き継ぐ影の薄さとは言え、 一つ重要な機能が追加されています。 Android 4.3こそ2013年7月24日に発表されて未だ1箇月そこそこ、 普及も此れから図られようと言う段階[※3] です。 其のAndroidが新たに対応した規格こそ Bluetooth SMART なのです。

Bluetooth SMARTとは即ち低消費電力通信規格を表す Bluetooth Low Energy への対応機器の総称であり、ヘッドセットやスマートウォッチが想定されています。 そして此のBluetooth SMART機器を繋げる機器は Bluetooth SMART READY と総称されており、スマートフォンやタブレットなどが代表的な機器として挙げられるでしょう。 両者は互いに連携して其の持てる力を発揮します。 GoogleのAndroidがOSレベルで此の規格にネイティブ対応したのは 若しかしたらウェアラブルコンピュータとして話題の Google Glass とも関係があるのかも知れません。

Bluetooth Low Energyについてはかたむき通信にも記事[K1] にした処で、上記スマートウォッチ関連記事にもリストアップされるが如く、 正しくスマートウォッチの為にある規格と言って宜しいくらいのものです。 更に言えば此の低消費電力通信規格あってこそ スマートウォッチがスマートウォッチ足りえると言っても過言ではないでしょう。 Bluetoothブルートゥース が其のバージョンを3から Bluetooth4.0 に上げた際の注目点でもありました。 サムスン社が今回発表したGALAXY Gearは全ての条件が整って初めて誕生したとも言え、 中にも最も重要な要因がAndroidのBluetooth Low Energyの採用でした。

そして今回同時発表された GALAXY Note 3とGALAXY Note 10.1 2014 Editionは勿論 Bluetooth SMART READYとして機能します。 GALAXY Gearと以下の連携機能が提供されると伝えられます。

  • メール及びメッセージの着信、スケジュール等の情報のプッシュ通知
  • 内臓マイクに依るGALAXY Gearでの通話機能
  • ペアリングしたBluetooth SMART READY機器への近接に依るロック自動解除機能
  • 喪失した端末の探索機能

スマートウォッチとしては特に見るべき機能は見付かりませんが、 一品ものにはあらぬ世に広く出回る基本ソフトウェア上で此れを実現していることにこそ 今後のスマートウォッチの普及が図られる上でも意味があるものと思われます。 かたむき通信に注目したGalaxy Noteシリーズならではのタッチペン操作機能との 特別な連携が伝えられていないのが些か残念な処ではあります。

最後にGALAXY Gearのスペックを上に取り上げたものとは別に以下、挙げておきましょう。

  • CPU:Exynos 800 MHz
  • RAM:512Mバイト
  • ストレージ:4GB
  • ディスプレイ:1.63インチ
  • ディスプレイ解像度:320px×320px
  • カメラ:190万画素・動画H.264/MP4:ストラップ上搭載
  • 大きさ:136.8×56.6×11.1mm
  • 重量:73.8g
  • バッテリー容量:315mAh
使用写真
  1. Samsung Electronics Introduces GALAXY Gear and GALAXY Note 3 at Samsung Mobile Unpacked in Germany( photo credit: Samsung Newsroom via Flickr cc
かたむき通信参照記事(K)
  1. スマートウォッチとBluetooth4.0の深い関係(2013年1月28日)
参考URL(※)
  1. Samsung unveils Galaxy Gear smartwatch with 1.63-inch AMOLED touchscreen, built-in camera, 70 apps(engadget:2013年9月4日)
  2. Android 4.4のコードネームは「KitKat」 ネスレから特別版キットカット発売も(ITmedia ニュース:2013年9月4日)
  3. 「Android 4.3」発表、Bluetooth SMARTやユーザーごとの機能制限に対応(INTERNET Watch:(2013年7月25日)
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