ICカードリーダーは思ったよりも一般に普及するようになりました。 使い勝手が問題視されつつも e-Tax がそれに一役買ったとは言えるでしょう。 従って一定の需要は発生するものの従来は品切れになることはあまり考えられない商品です。 それが店頭から消えたのはある問題が拡大しているからでした。
その問題とはデジタル放送視聴に於ける B-CAS でした。 デジタル放送を視聴する際、 有料放送などに鍵として機能するB-CASですが、 運営の不手際、歪なシステム、製品の欠陥などから大きく問題が広がってしまいました。 かたむき通信にも以下列挙する記事に取り扱った処です。
B-CAS問題は大別して現在3種類になります。 以下に列挙します。
- BLACK-CASカード
- B-CASカード書き換え
- SoftCAS
ICカードリーダーを店頭から消えさしめたのはこの内の2番、 B-CASカード書き換え が相当します。 問題の詳細は23日に記事に記し置きましたが この実行にはICカードリーダーが必須だったのです。 所有のB-CASカードを書き換えんとする面々に因って ICカードリーダーは大人気となり店頭からは消え、 剰え出荷前のICカードリーダーの窃盗事件迄発生し オークションでは高値で取引される始末となったのでした。
此処に於いて人気となったのが 住民基本台帳カードの読み取り用などとして地味に販促を重ねてきていたモデル連です。 国税庁からリンクの貼られる 公的個人認証サービス対応ICカードリーダライタ普及促進協議会 (2019年2月27日現在サイトドメイン削除確認) には商品リスト(PDFファイル) 公的個人認証サービス適合性検証ICカードリーダライタ一覧【販売品】 (2019年2月27日現在ファイル削除確認) も用意されています。 この筆頭に上げられる SCR3310-NTTCom などが実際に大人気で引く手数多となっているモデルです。
他にもジェムアルト社の Gemalto PC USB-TR HWP119316 や、シャープ社の SHARP RW-5100 などが飛ぶように売れてます。 近年商品の一般化から値段も大分落ち着いて数千円からと 購入もし易くなっていたものが、 今はプレミアムが付く状態でもあるようです。
些か B-CAS ICカードリーダ狂想曲 の様相も呈して来ましたが、 これらの人々を罰するべきだとする言説が システム運用側から齎されるのは実に悲しむべきことでしょう。 果たして罰されるべきは狂想曲に踊らされる人々でしょうか? 人々にこのような行動を取らさしめるデジタル放送受信のシステムでしょうか?