音楽業界は著作権絡みで些か強欲が過ぎ、 業界自体が凋落傾向にあるのは否めません。 それに伴い周辺の音楽関係業者も苦境に立たされているのは アーティスト招聘、イベント企画を主業務とする 株式会社ザックコーポレーション が破産、倒産の憂き目を見た[K1] ことからも窺い知れます。
今回又もやザックコーポレーションと類似の 音楽コンサートやショーの企画、制作、運営を主業務として営む 株式会社フリップサイド が倒産の仕儀と相成りました。 同社は今年2012年8月31日に1度目の資金ショートを起こしており、 9月24日に再度の資金ショートを招いてしまいました。
2度目はつい一昨日で、 通常ホームページなどはこの短期間には其の侭放置されていることも多いのですが、 同社は実際には1度目には操業が停止状態になり、 同社サイト http://www.flipside.co.jp/ は現在既に閉じられており見られません。
ホームページに詳細を見られず、この倒産は帝国データバンクには取り扱われず、 従って東京商工リサーチの昨日25日付けの倒産情報[※1] に頼り見れば、その倒産時の企業概要は以下でした。
負債総額は5億円と見られています。
当該業界では比較的大手と目されており、 その企画したコンサートは中島みゆきさんや松山千春さん、 浜田省吾さんなどのビッグネームが並び、 2001年の同社ピーク時に年商は48億以上もの額を計上したとあります。
しかし一時期は10~20代の若者を中心に6,000名を数えた会員数も2,500名迄減少、 例に依って不景気に加え未曾有の大震災にも祟られついに今回の事態が招かれてしまいました。
今となってみれば会員の若返りを狙うなどの施策を講じるなど、 何某かの対策を景気の好い時に打つべきであったのでしょうが、後の祭りです。 今回の失敗に終わった事業の在り様を見れば 現状の音楽業界を端的な現しているように思います。 それこそが音楽業界全体凋落の原因たる音楽業界一般が抱える 強欲の一端を示すもののように思えるのです。
思えば音楽業界もその周辺も余りにも 大掛かりになり過ぎて一発を狙う業務形態となっている感を受けます。 小さくとも細かな行き届いた、そんな企画が セコイ遣り方は性に合わない、己達の管轄ではない、とでも謂わんばかりに見当たりません。 音楽業界は宛も己の周囲には大金が動くのが当たり前と思っている節が見られます。 それは一介の音楽プロディーサーを称する人物迄へもの蔓延からも窺い知れ、 彼らの選民意識の少々鼻に付く処とも感じさせられます。 かたむき通信に考察したように 音楽の世紀は既に終わっている[K2] のですから、向後彼らの在り様は望むべくもないことなのにも関わらず、です。
彼女達の音楽が自称専門家から蔑視されつつも、 今や国民的アイドルグループとして日本のCD販売、音楽業界をも背負って立っている AKB48 は東京ドームを用いる大イベントが催されるとは言え、 秋元康氏のアイドルへの拘りから秋葉原のこじんまりとした劇場からスタートしました。 そして今でもAKB劇場公演は大切なものとして扱われています。
今音楽業界に必要なのは如何にも事業欲に燃える連中ではなく 本当に音楽を愛好し地道に努力を重ねる人々でしょう。 それらの人々に音楽業界が好適に運営されることこそが今必要なのです。 それが次代の音楽の世紀へとやがて繋がって行く筈です。
かたむき通信参照記事(K)- 大震災の影響かはたまた音楽業界との…ザックコーポレーション再生手続き廃止、破産へ移行(2012年6月25日)
- 音楽の世紀は既に終わっている(2012年7月30日)
- (株)フリップサイド [東京] コンサート企画・製作・運営 再度の資金ショート / 負債総額 推定5億円(東京商工リサーチ:2012年9月25日)