去年は上半期[K1] 、下半期のクソ株ランキング[K2] をかたむき通信に参照、記事をものしてお馴染み 市況かぶ全力２階建 さんに淘汰の進むゴルフ場運営企業に関する株式市況についての記事[※1] が配信されれば、実に興味深い様相が垣間見えるものとなっています。 其の資本関係が複雑に絡み合う中にスポットを浴びるのは、 以下列挙する処のの2社です。
両社はかたむき通信にもゴルフ場運営企業の倒産の相次ぐ記事[K3] をものした際に登場しているもので、 実は今苦境に喘ぐゴルフ場経営業界に再編、寡占化が進み ゴルフ場のチェーン化を図る両社が激しく鍔迫り合いを演じていたのでしたが、 この一方のPGMがアコーディアに対し敵対的買収を仕掛けた、と言う情報が ゴルフ場も会員も無視された処で更にはハゲタカファンド的な参入もあり 泥仕合の繰り広げられるものとして資本関係も絡めて ネット上で面白可笑しく取り上げられているのでした。
顧みればかたむき通信に取り上げて以降もゴルフ場経営企業の状況は厳しく 倒産も相次ぐ事態となっています。 2012年10月8日の記事に追記として挙げた太陽カントリークラブ以下を下に列挙して見ましょう。
- 株式会社太陽カントリークラブ（2012年10月24日：中央区八重洲1970年設立）
東京地裁から破産開始決定
太陽カントリークラブ3コース27ホール運営
負債総額約52億円（内預託金約35億円）
帝国データバンク：2012年10月24日（2020年1月23日現在記事削除確認）
東京商工リサーチ：2012年10月24日 -
パシフィックスポーツアンドリゾーツ株式会社（10月23日：港区西新橋2006年設立）
10月16日東京地裁に特別清算手続申請1週間後開始決定
ゴルフ場投資事業の持株会社としてロイヤリティ、配当収入が主収益、 傘下に琵琶池ゴルフクラブ（栃木県大田原市）、松井田妙義ゴルフ倶楽部（群馬県安中市）、 相武カントリー倶楽部（東京都八王子市）など
負債総額約339億9,200万円
帝国データバンク：2012年11月2日（2020年1月23日現在記事削除確認）
東京商工リサーチ：2012年11月2日 - 株式会社太平洋クラブ（かたむき通信：2012年10月8日続報[K3]）（2012年10月31日：港区芝浦1971年設立）
東京地裁から会社更生手続開始（民事再生廃止）決定
関連5社株式会社太平洋ゴルフサービス、株式会社太平洋アリエス、太平洋ヒルクレスト株式会社、太平洋ティ・ケー・エス株式会社、太平洋トリアス株式会社、再生手続不認可決定
帝国データバンク：2012年11月2日（2020年1月23日現在記事削除確認）
東京商工リサーチ：2012年11月2日 - ピーエスアール相武株式会社（2012年11月1日：港区西新橋1957年設立）
東京地裁に特別清算申請、翌日開始決定
パシフィックスポーツアンドリゾーツ株式会社の子会社、相武カントリー倶楽部など運営
負債総額約140億円
帝国データバンク：2012年11月14日（2020年1月23日現在記事削除確認）
東京商工リサーチ：2012年11月14日 - 株式会社大村湾カントリー倶楽部（11月20日：大村市東野岳町1970年設立）
福岡地裁に民事再生法の適用申請、同日中保全命令下る
大村湾カントリー倶楽部の運営
負債総額約78億円
帝国データバンク：2012年11月21日（2020年1月23日現在記事削除確認）
東京商工リサーチ：2012年11月21日 -
太閤山観光株式会社（11月27日：富山県射水市平野1993年設立）
富山地裁に民事再生法の適用申請
太閤山カントリークラブの運営
負債総額約157億9,000万円
帝国データバンク：2012年11月27日（2020年1月23日現在記事削除確認）
東京商工リサーチ：2012年11月27日 - 三津田開発株式会社（12月14日：三木市志染町1985年設立）
神戸地裁に民事再生法の適用申請
東広野ゴルフ倶楽部の運営
負債総額約100億8,000万円～約110億円
帝国データバンク：2012年12月17日（2020年1月23日現在記事削除確認）
東京商工リサーチ：2012年12月17日 - 大山開発株式会社（12月19日：富山市東福沢1989年設立）
富山地裁に自己破産を申請、同日破産手続き開始決定下る
大山カメリアカントリークラブの運営
負債総額約101億円
帝国データバンク：2012年12月19日（2020年1月23日現在記事削除確認）
東京商工リサーチ：2012年12月19日
以上見るも無残な惨憺たる有様が展開され、 同業界の関係者など明日は我が身の戦慄すべき状況下に置かれているのが伺えます。 しかしこれが逆に資産価値など鑑みれば所謂ハゲタカファンドの目には魅力的、 即ち買いに映るものであるからこそ資本が投下されるのだと思います。 基本的には考え方を同じゅうするPGM及びアコーディアも、 であればこそ底値のゴルフ場の買収に走っていたのでしょう。
現在のゴルフ場運営が買収側と同様に経営刷新を図れば恐らく苦境は脱し得るものでしょうが、 買収しては大幅な首切りも、資産の換金も、 冷徹な処置を辞さずと言う買収側がなすだろう運営はなかなかに 其処迄現経営陣は徹し切れはしないものなのは重々窺い知れるもので だからこそハゲタカファンド的企業も存在出来ようものでしょう。 此れは如何せん止められる流れのものではないのかも知れません。
ゴルフ場運営は従来所謂セレブ相手の高級なイメージを売りとした業態を呈していましたが これからは本記事にある如くチェーン化も進んでは顧客ターゲットも変わらざるを得ないでしょう。 一部のゴルフ場は従来の業態を維持するものとあれば この業界は孰れ高級割烹とチェーン化されたファミリーレストランの織り成すような 外食産業のような形態に構成されるものとなるのかも知れません。
追記（2013年1月9日）
年を越しても沙汰已みとはなりません。 以下ゴルフ場経営企業が倒産しました。
使用写真- Royal & Ancient 1（ photo credit: Son of Groucho via Flickr cc）
- クソ株ランキング2012上半期にノミネートされる企業をビジネス記事に見直してみた（2012年7月9日）
- クソ株ランキング2012下半期にノミネートされる企業をかたむき通信に見直してみた（2012年12月31日）
- 太平洋クラブ倒産～苦境のゴルフ場経営に進むM＆A（2012年10月8日）
- PGMによるアコーディア・ゴルフ敵対的買収に旧村上ファンド系の投資会社レノが参戦（市況かぶ全力２階建：2013年1月7日）
