Tizenがチグハグ施策迷走ドコモの象徴となる断ち切れぬ負の連鎖

語るに足るスマートフォン端末こそあって其れを記事にも起こしはするものの 全体的に施策がチグハグな印象を免れ得ないのは本邦トップキャリアの NTTドコモ です。 以下にかたむき通信に起こした記事の中にも同社の迷走を感じさせるものを簡単な説明付きでリストアップしてみます。

  • NTTドコモがタワーレコードを子会社化しEコマース事業進出を目論む(2012年6月11日)
    ドコモがアマゾンをロールモデルにEコマース進出施策を明らかにしたものですが、 本業が頭打ちになる中、景気の良いインターネット取引に食指を動かされたものと見られたもしょうがないものでしょう。 半ば公共的な性格を帯びる通信インフラ事業であるからこそ其の本業に特化して、 利用者の利便を図るために励むべきであるように思います。
  • NTTドコモが通販事業本格進出で目指すアマゾンコムとの企業体質の比較(2012年7月13日)
    アマゾンを羨んでEコマース進出施策を明らかにしたものの、 其の企業体質に於いて両社は両極にあるとも言える状況が憂うべきものです。
  • スマホ転売詐欺の大型組織化に思う携帯契約システムの歪さ(2012年7月26日)
    本来ドコモが最も利益の還元をなすべきである対象の筈のロイヤリティの高いサイレントマジョリティーたる 長期優良ユーザーを無視して繰り広げられる販売合戦の表れが歪な携帯契約システムとなって露呈しており、 詐欺事件の遠因ともなって言って良いのかも知れません。 有料顧客が黙って去るのも宜成る哉、です。
  • 哀れNOTTV大失敗~4ヶ月経過して契約数は目標の1/3以下()
    どうやら予定より遅れて目標達成したものの、 その抱き合わせ販売的契約方法と契約解除の分かり難さは常に批判の的となっています。 また池田信夫氏に依って時価2,000億円以上の700MHz帯と2.5GHz帯の電波を ドコモと総務省総合通信基盤局電波部とで其の施策への義理立てをも含めて バーター取引され、結果ドコモは設備コストの438億円をドブに捨てることとなった問題も指摘 〔※1〕 されています。
  • 総務省が去年2011年度の電気通信事故発生状況の取りまとめ公表(2012年8月31日)
    ドコモがスマートフォン時代に即したサービスを提供するのに 適合し切れていない状況がデータから窺い知れます。
  • ドコモ800億円の下方修正はiPhone5の所為にあらず (2012年10月27日)
    MNP転出が相次ぎ契約者数純減が続く因を唯iPhoneにのみ帰するのは適切ではないでしょう。 株主からは 現在の経営はキャッシュを燃やしているだけ と言う辛辣な批判も出ています。

客観的に見て顧客契約数の純減を他者に求めるよりは 自己に内省を図った方が傷も浅く済むように思われるものですが、 負のスパイラルと言うものは落ち込んでいく本人に取っては得てしてどうしようもないもの、 自信を以て打ち出した方針である、売り出すに当たって注力する端末を2機種に絞るなどと言う ツートップ戦略 も引き立てられた2社こそ一時的な利益を上げこそすれ、 下手をすれば怨みすら買い兼ねない施策であって、頃日には批判も多くネット上に飛び回るものです。

The Docomo Tower in the night

一時はかたむき通信にもその施策を懸念有りとしながら吉に傾いて取り上げた記事 〔K1〕 があり、ドコモとしても手に入らぬアップル社のiOSに、意の儘ならぬAndoroidに翻弄されるのは敵わぬと打ち出した苦肉の策としての Tizenタイゼン) が思わぬ好手に化けるのではないかとしたのが去年2012年年末でした。

其れから半年を経た7月上旬の今、インプレスのケータイWatchにキーパーソンインタビューとして ドコモ加藤社長に聞く 記事 〔※2〕 が其のタイトルも ツートップは順調、TizenはLINEと連携 と何処と無くチグハグな感を拭い切れぬ印象を与えながら配信されました。 此処にはドコモの方針に密に組み込まれたTizenが高らかに謳われています。

処が其の正しく同日、2013年7月4日でした。 ガジェット速報に配信された記事 〔※3〕 にはTizenの死に体が報じられていたのです。 2013年7月4日へ日付も切り替わる直前のロシア在住のMobile-Review.com編集長Eldar Murtazin氏のツイートが以下引用されるものでした。

Tizen is almost dead. It isn't delay. That's cancel of the whole project. I doubt that samsung will launch more than one device for 2014

此処にはTizenは殆んど死んでおり、即ち其のプロジェクトは遅延ではなく破棄である、 と言う内容となっています。 此れが真実であればドコモに取っては衝撃的な事実を突き付けられたことになります。 サムスン及びインテルが開発の中心とは言え、 大いにコミットを謳ったドコモが其のプロジェクトの死が報じられたと同日に其の未来を語るのですから、 全く蚊帳の外に在ったのが明らかにもされた訳です。

これ以上無いドコモに取っては悪しきタイミングでTizenの情報が駆け巡り、 ドコモの取る施策、施策が凡そチグハグで、其の行き場を失った迷走が露骨に明らかになりました。 同社が負のスパイラルから抜け出す日は未だ遠そうです。

使用写真
  1. The Tower in the night( photo credit: Toshihiro Oimatsu via Flickr cc
かたむき通信参照記事(K)
  1. NTTドコモの思い切ったTizen(タイゼン)の採用は吉か?凶か?(2012年12月30日)
参考URL(※)
  1. NOTTVの謎(池田信夫 blog:2013年6月22日)
  2. キーパーソンインタビュー(ケータイWatch:2013年7月4日)
  3. 速報:Tizen OS開発プロジェクト事実上キャンセルへ NTTドコモの行方は不明(ガジェット速報:2013年7月4日)
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