不振が伝えられる半導体事業にあっては かたむき通信2012年6月29日の記事 マイクロンテクノロジー2,000億円でエルピーダ買収合意し業界2位へ に伝えたエルピーダのように倒産、身売りを余儀なくされるケースも出て来ます。 そんな中何とか苦境を耐え忍ぼうとする渦中にある ルネサスエレクトロニクス株式会社 が本日2012年7月3日にリストラ策を発表することが伝えられています。
ルネサスについてはかたむき通信に以下の両記事を配信しました。
其の中に財務基盤強化のための第三者割当増資を その前身母体3社の三菱、日立、NECに要請するその引き換えに 納得せしめるリストラ策を提示しなければならないのでした。 この破綻回避に向けての支援獲得の正念場を本日迎える訳です。
これを伝えるロイターの2012年7月2日の記事 UPDATE1: ルネサス<6723.T>がリストラ策を3日に発表、拠点再編と人員削減=関係筋 にはその予想されるリストラ策が記されます。 その要諦は前身母体から引き継いだままの過剰な生産体制のスリム化と 約3割の世界シェアを握るマイコン事業への経営資源集中です。
全国19箇所の内10箇所程度を3年以内に閉鎖、売却されるとされ、 前工程 10箇所に於いては、以下列挙する処などの施策が推測されます。
後工程 9箇所では基本的に海外シフトを加速させるべく、以下列挙する処などが記事に推測されています。
これら拠点集約に併せて人員削減はかたむき通信の記事にも記した通り、 当初6,000人規模とされたものが1万人から1万4千人規模と伝えられる処となっていました。 この内訳として記事には、以下列挙する処が挙げられます。
以上の記事連を鑑み、最終的には全従業員約4万2,800人の3割近くに相当する1万2,000人以上の削減が推測され、 5月の各報道機関の推定値がほぼ踏襲されるものとなっています。
これらのリストラ策は他にも2012年6月中に、 以下列挙する処の記事など、また他にもテレビなど多くの報道機関の伝えらる処で 日の丸半導体への関心の高さが覗えるようです。
これらのリストラ策が前身母体3社及び金融筋に妥当と認められれば 予想される1,000億円が支援として出資されるのでしょうが、 ロイターの2日記事にはシティグループ証券クレジット・スペシャリストの 高橋克英氏の言として以下引用する
リストラだけでなく再建に向けた新規投資も含めると 3000億円程度は必要になるとみており、 今回の資金支援だけでは「問題の先送りにすぎない。 3カ月、6カ月先を保証するものではないのように相当厳しい見方も出ています。
孰れ本日2012年7月3日中には ここに記すものよりそうは遠くないリストラ策が発表されるでしょうが、 それが支援側にどのように受け取られるかについて、 ハイテクものづくり、日の丸半導体の行く末を見守らんと 多くの注目を集めることだけは間違いありません。
追記(2012年7月5日)
ルネサス社が予定通りリストラ策を公表しましたので その具体的内容と齎す影響を記事 ルネサス社7月3日発表のリストラ策が巻き起こす波紋 にまとめて配信しました。
追記(2012年7月17日)
ルネサス社の苦境から広がるばかりの波紋は遂にNEC社に及びます。 ルネサスがNECを道連れにしかねない模様 を配信しました。