富士通の赤字決算とらくらくスマートフォンに共に感じられるもの

電機メーカーが軒並み赤字に沈む中、 富士通株式会社 も例外ではいられませんでした。 本日2012年7月27日に発表された今4~6月期決算では 連結最終損益は237億円の赤字となったのです。

勿論これは巨額には違い有りませんが、 他電機メーカーが揃って吐き出した赤字額からは1桁少なく済んだとも言えます。 これを説明するには 携帯電話、LSIの販売落ち込み、システム開発費の増加などが言われ、 中にも円高が重荷となって赤字額を膨らませたとされていますが、 決め手に掛けるだけにどうすれば脱却出来るのかも曖昧模糊としている印象を受けます。

この決算発表会場にて三重県桑名市で 半導体を生産する主力の三重工場の売却交渉が進んでいるとの報道には 同社CFOがノーコメントとしたそうで、 喉の奥に魚の小骨が引っ掛かっている感があるようです。

以上、この赤字決算発表は一言で言えば 中途半端 な印象を受けざるを得ません。 前期から状況はあまり変わったとも言えず、 この状態が続けばそれこそ真綿で首をしめられるような様相も呈し兼ねないのではないかと 要らぬ気遣い迄せしめられます。

この状態を突破するには威勢の良いヒット商品が一番なのかと思われますが、 かたむき通信には2012年5月18日に ドコモのらくらくスマートフォンとらくらくパケ・ホーダイは結構お得なんじゃないだろうか? と題して同社の提供する らくらくスマートフォン に仄かな期待を寄せたのでした。 これがヒットすればそれこそ今回の赤字原因の一つに挙げられる 携帯電話の販売落ち込みの一つはクリア出来るのです。

このらくらくスマートフォンの発売開始が同社のプレスリリースに 昨日2012年7月26日 「らくらくスマートフォン」新発売 配信されました。 フィーチャーフォンに於いて2011年9月に累計販売2,000万台を達成した大ヒット らくらくホンシリーズ のスマートフォンに於ける後継機となる機種です。

発売は8月1日が予定されていますが、 既に実機は内覧会などで一般の方の手にも触れられるようになっています。 パソコムプラザ 新浦安 制作のYouTubeテロップ付解説動画が yukinojo7さんのチャンネルに配信されていますので以下に埋め込みます。

ドコモ らくらくスマートフォン F-12D

2012年6月8日に東京ドームプリズムホールに於ける NTTドコモ新製品内覧会で撮影された動画で、 試作機ではありますが、 見たい、知りたい情報が上手く織り込まれている一編となっています。

富士通のプレスリリース及びこの動画を見ては、 赤字決算に於けるものと正しく同じ感覚に囚われました。 即ち、失礼ながら 中途半端 な印象が拭えないと言ったものです。

Androidのバージョン4.0機ではありながら、 GoogleアカウントもGoogleプレイも使えず、 かと言ってメニューの切り替えも多くボタンを迷うほど用意されて 多機能でもないし、割り切れもしていない端末の印象が強いように感じます。 フィーチャーフォンをそのままスマートフォンに当て嵌めた 端境期の初号機に有り勝ちなイメージそのままとと言っても良いでしょう。

このような印象はこのらくらくスマートフォンに対し期待していた方も持たれるようで 中には実際に端末を操作してブログ記事にされたものもあります。 それがもとまか日記さんの2012年7月27日の記事 らくらくスマートフォンは本当に「らくらく」なスマホなのか (2019年8月14日現在記事は非公開設定に変更されています。)で、それこそその印象が まだまだ未完成で中途半端 と記されています。 特に富士通として新開発の当該機種の目玉機能 触れると押すの違いをしっかりと区別する新構造のらくらくタッチパネル については詳しくありますので興味のある方は参照下さい。

利用者にこの如き印象を与えるのは 穿って言えば社内の体制が期待の新商品に迄、反映されてしまっているのかも知れません。 そうであるならば決算は更に社内の体制を直截に反映するものとして 残念ながら、まだなお、この状態を暫くは続けねばならないような気がします。

追記(2012年8月14日)

発売後2週間を経ましたので 出揃ってきたらくらくスマートフォンの実像レビュー を配信しました。

追記(2018年3月4日)

2012年8月14日配信の記事 出揃ってきたらくらくスマートフォンの実像レビュー に最新機種となる らくらくスマートフォン me F-03K が発売された旨、追記しました。

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