語るに足るスマートフォン端末こそあって其れを記事にも起こしはするものの 全体的に施策がチグハグな印象を免れ得ないのは本邦トップキャリアの NTTドコモ です。 以下にかたむき通信に起こした記事の中にも同社の迷走を感じさせるものを簡単な説明付きでリストアップしてみます。
客観的に見て顧客契約数の純減を他者に求めるよりは 自己に内省を図った方が傷も浅く済むように思われるものですが、 負のスパイラルと言うものは落ち込んでいく本人に取っては得てしてどうしようもないもの、 自信を以て打ち出した方針である、売り出すに当たって注力する端末を2機種に絞るなどと言う ツートップ戦略 も引き立てられた2社こそ一時的な利益を上げこそすれ、 下手をすれば怨みすら買い兼ねない施策であって、頃日には批判も多くネット上に飛び回るものです。
一時はかたむき通信にもその施策を懸念有りとしながら吉に傾いて取り上げた記事[K1]
があり、ドコモとしても手に入らぬアップル社のiOSに、意の儘ならぬAndoroidに翻弄されるのは敵わぬと打ち出した苦肉の策としての
其れから半年を経た7月上旬の今、インプレスのケータイWatchにキーパーソンインタビューとして ドコモ加藤社長に聞く 記事[※2] が其のタイトルも ツートップは順調、TizenはLINEと連携 と何処と無くチグハグな感を拭い切れぬ印象を与えながら配信されました。 此処にはドコモの方針に密に組み込まれたTizenが高らかに謳われています。
処が其の正しく同日、2013年7月4日でした。 ガジェット速報に配信された記事[※3] にはTizenの死に体が報じられていたのです。 2013年7月4日へ日付も切り替わる直前のロシア在住のMobile-Review.com編集長Eldar Murtazin氏のツイートが以下引用されるものでした。
Tizen is almost dead. It isn't delay. That's cancel of the whole project. I doubt that samsung will launch more than one device for 2014
此処にはTizenは殆んど死んでおり、即ち其のプロジェクトは遅延ではなく破棄である、 と言う内容となっています。 此れが真実であればドコモに取っては衝撃的な事実を突き付けられたことになります。 サムスン及びインテルが開発の中心とは言え、 大いにコミットを謳ったドコモが其のプロジェクトの死が報じられたと同日に其の未来を語るのですから、 全く蚊帳の外に在ったのが明らかにもされた訳です。
これ以上無いドコモに取っては悪しきタイミングでTizenの情報が駆け巡り、 ドコモの取る施策、施策が凡そチグハグで、其の行き場を失った迷走が露骨に明らかになりました。 同社が負のスパイラルから抜け出す日は未だ遠そうです。
使用写真- The Tower in the night( photo credit: Toshihiro Oimatsu via Flickr cc)
- NTTドコモの思い切ったTizen(タイゼン)の採用は吉か?凶か?(2012年12月30日)
- NOTTVの謎(池田信夫 blog:2013年6月22日)
- キーパーソンインタビュー(ケータイWatch:2013年7月4日)
- 速報:Tizen OS開発プロジェクト事実上キャンセルへ NTTドコモの行方は不明(ガジェット速報:2013年7月4日)