目を覆いたくなるばかりの国産電機メーカーの凋落は 赤字決算に見られるだけでなく株価に迄深刻な影響を及ぼして来ました。 NECのそれはかたむき通信に2012年7月21日 株価初の100円割れNEC危機的評価~LaVie Zは復活の尖兵となり得るか に伝えもし、ソニーなどは時価総額が何某以下に転落などと、 そこには史上初、数十年振りと言った形容詞が踊ります。 またシャープのそれも著しく失墜しています。
先ず手前味噌ながらもかたむき通信に2012年7月9日、 クソ株ランキング2012上半期にノミネートされる企業をビジネス記事に見直してみた としてシャープ株の悪化状況を伝えました。 次にはブルームバーグが2012年7月12日に シャープ株大幅続落で34年ぶり安値、シティが目標株価下げ-東京市場 (2019年8月6日現在記事削除確認)を配信、また7月17日には現代ビジネスが シャープ元幹部が実名で明かす 日本のテレビが韓国製に負けた「本当の理由」 と題した記事で凋落の原因に言及します。
確かに近年厳しい電機メーカー業界にも一人気を吐いていたのが シャープ株式会社 でした。 しかしかたむき通信記事に引用するには 一気に崩れる とある如く、 絶頂からあっと言う間の転落 とある如く、 正しく一寸先は闇を地で行く展開を示してしまいました。
現代ビジネスにはソニー、パナソニックが沈む中、 意気軒昂であったシャープも時代の移り変わるにつれ脆くも崩れ去る様を恐竜と形容しています。 シャープが液晶に覇を唱え一人気を吐き得たのも大型設備投資の成功でしたし、 掛けから転落するように業績が悪化したのも大型設備投資の失敗でした。 此処に大型設備投資の難しさが現れています。
これに対しサムソンを始めとする韓国、台湾、中国のメーカーが台頭し始めているのを思うと、 逆らい様の無い運命をも感じさせられもするのです。 それはアジア諸国の勃興に対して 日本電気メーカーの経営判断や組織的問題に起因するのではなく 川の流れのように後戻りのならない事態、自然の流れに起因するのではないかと言うものです。 シャープ迄が凋落の道を辿る時、 それは最早日本電機メーカーの宿命的なもので 如何なる天才の出現を得ようとも その苦境を救い得ないのではないかと言う絶望的な印象を受けるものです。 記事にあるような若しこうしていたらとか、 これからこうすべき、と言うような思惑も水泡に帰さしめる次元のものです。
そして本日2012年7月24日には4月~6月期の業績が漏れ伝わって来ました。 日経新聞やMSN産経ニュースの シャープ、4-6月期は1千億円規模の最終赤字に 追加リストラ検討 (2019年8月6日現在MSN産経ニュースサービス終了によるドメイン停止確認)により齎されるものです。 これにより通期決算さえ下方修正の必要に迫られることとなるでしょう。 膿みは出し切った積もりでいても後から後から出て来ます。 削除し切ったと思った癌の転移が止まらない状態の様に見えます。
他電機メーカーと揃い復活が望まれますが、 其の前にはJALがV字復活をなしたように大幅なリストラ策は免れ得ません。 それはシャープ社も心得る処であり、 数千人規模の人員削減が予定されています。
追記(2012年8月4日)
状況が悪化する一方のシャープの状況を受け シャープ危機~株価ストップ安が鴻海出資交渉に影響 を配信しました。