底の知れぬ契約者純減状況に形振り構わず打ち出したNTTドコモの所謂
ツートップ戦略
が携帯メーカー2社優遇の建前ながら
喉から手の出るほど欲しいiPhone導入の為の布石であるのが明け透けではてなの
約めればiPhoneを扱う条件としてアップル社から要求される販売携帯電話の内のiPhoneの 噂では半数とされる其の割合を達成する為には邪魔な此れ迄の供給メーカーを なるべく文句の出ない形で関係を切ろう、と言うものですが、 余りにドコモの此の自己本位の強欲さが策謀に表出しては、 今迄の協力メーカーであったNECやパナソニックが 其の携帯電話事業からの徹底も報じられるに因って憐れみの声がネット上に溢れる、と言った塩梅です。
国内トップキャリアとして不動の地位を築いたドコモに 暗雲立ち込めた現況について最も巧く言い表したのが奇しくも 2012年10月26日に開催された2013年3月期第2四半期決算説明会での質問者の 現在の経営はキャッシュを燃やしているだけ であり、また端的でもあるでしょう。 此れについてものしたかたむき通信記事[K1] には右肩下がりとなった因を只iPhoneのみに押し付けるのに疑義を発し、 アマゾンに憧れたネットショップへの唾付け[K2] や抱き合わせ販売的契約方法と契約解除の分かり難さや 総務省総合通信基盤局電波部とのバーター取引が常に批判の的ともなり、 国民の共有財産をドブに捨てる結果を招いている NOTTV[K3] など相次ぐ頓珍漢な施策こそが低迷の原因でiPhoneは象徴に過ぎない、と言及しもしました。 従ってiPhone導入が 顧客に見放されるドコモ と言う現状打破へ繋がり得るとは思えない中、 固執するのも頓珍漢な同社舵取り役の故でしょう。
同社経営陣に同情的に見れば
彼等は単なるサラリーマン経営者にて憧れる処のアマゾン社の
好意的に言えば特に半官半民の様相を呈す彼等は顧客より株主を見るしかなく、 短期的な収益向上、若しくは其の計画を提示するしかないのは サラリーマン経営者の宿命とも言えるでしょうし、 キャッシュを燃やさざるを得なくせしめているのは株主と言えなくもありません。 其の長きに渡った蓄積が遂に閾値を越え顧客離れを招いているのは明白です。
本来、顧客の側を向けば所謂スマートフォンばかりが望まれているのではないのは明らかで 世の中には新機種として提供されるものキャンペーンが適用されるのもスマホばかりと言う状況に 嘆くばかりではなく怨嗟の声さえ上がるのは彼等とて知らぬ筈はないでしょう、 であるとすれば低価格で低維持費で済む フィーチャーフォン 、所謂 ガラケー[※2] の供給が同社への信頼回復の一助となるのは明らかです。
しかしそれはカリスマ経営者ならぬ彼等には難しい要求であるのも又確かなのです。 なんとなればスマートフォンの契約はガラケーより1契約あたりの売上をあらわす数値である ARPU(Average Revenue Per User)[※3] を押し上げるからです。 自社の収益を押し下げて迄顧客満足を得る施策が許されるべくもなく、 而して顧客満足度向上後の長期的収益向上を目指すべくもないのでした。 此れが端無くも今回のツートップ戦略で浮き上がったドコモ社の 何処迄も続く負のスパイラルの構造と言えるでしょう。
此のネガティブスパイラル、負の連鎖は恐らくは実に深刻な問題で 此れを如何に断ち切るかの一手として考えられるのは経営陣人事であるのは論を俟たないでしょう。 先日奇しくもかたむき通信にドコモの負の連鎖の象徴として新スマートフォンOSである Tizen の開発打ち切りに関する記事[K8] をものしました。 此れについては続報として開発の継続がアナウンスされたようですが、 此の混迷の中にあってドコモ社が蚊帳の外であったのは紛れもない事実です。 例え同社が関与するプロジェクトに誤報の有っても 其れを即座に打ち消せる立場に同社があれば如何でしょう。 即ち今回であればTizenの技術的中枢に関与し得る立場にある人物が ドコモ社の経営陣に在れば、と言う話しです。
例えば全世界的にサーバーの基本ソフトとしての位置を確立したLinuxの中心人物
しかし孰れにせよ長期的低迷状況となれば万難を排して避けようとした 高収益体制の終焉を何時かは受け入れ、 凋落著しい出版、新聞、放送などのメディア事業者と同じく[※4] 人件費、固定費を押し上げる高賃金体系にメスを入れ、 インフラ事業としてあるべき処に落ち着くのでしょうし、 社会的には其の方が喜ばれるのかも知れません。
使用写真- Docomo Tower( photo credit: Joshua Rappeneker via Flickr cc)
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