国際コンシューマエレクトロニクス展(IFA)開催期間中新スマートウォッチ続々登場

まるでSwatchの憂鬱[K1] を杞憂に済ませてはおかじとばかりに かたむき通信に示唆したスマートウォッチXデーを境にしたようにも思えるが如くは 勿論本日9月5日より10日迄開催される 国際コンシューマInternationale エレクトロニクス展Funkausstellung(略称IFA)、 IFA2014 での各企業其々の思惑もあって先の記事[K2] で紹介した韓国両雄のスマートウォッチの後を追うように続々と新手のスマートウォッチが発表され、登場して来ました。

IFA Berlin 2006 photo credit by James Cridland
IFA Berlin 2006 photo credit by James Cridland

無骨に醜いスマートウォッチが今や優雅なデザイン性を身に付け始め ファッショナブルアイテムとして通用するプロダクトである旨伝える New York Times の2014年9月3日の記事[※1] ではSwatch及びスイス時計界に追い討ちを掛けるようにアップル社の高名なチーフ・デザイナーである Jonathanジョナサン・ Iveアイブ 氏の言として Switzerland is in trouble 、即ちスイスはトラブル下にある、を挙げているのが実に示唆深くあります。 此の言はスマートウォッチがスイス時計界追い遣る意にはなく アップル社が来る2014年9月9日に発表すると噂される iWtach への強い自信が垣間見えるものですが 孰れSwatchの憂鬱を更に深めるに違いないでしょう。

New York Timesには冒頭にスマートウォッチベンチャーの旗手 Pebble[追8] が紹介されていますが此れと同時期、2012年に同手法、 腕時計、スマートウォッチではお馴染みのクラウドファンディングであるキックスターターを利用して 立ち上げられたのがベンチャー・スマートウォッチ・ブランドの MetaWatch[追8] です。 両者は新興ベンチャーながらも既にスマートウォッチの構成の確固たる時代の出自ではないため スマートウォッチへの構成も似た部分があるのはIT業界のドッグイヤー振りを彷彿とさせます。 ダイヤル画面はタッチパネルではなく、アプリを追加出来るのでもなくして、 基本ソフトウェアにiOSやAndroidも用いず此れ等を基本ソフトウェアに用いたスマートフォンと連携を取る、 言って見ればCASIOと同様の手法[K3] を得手としています。 従って大画面を必要とする昨今のスマートウォッチ構成からは自由で以てデザイン性を高めることが出来るのでした。 斯うして世に問われた Meta Watch M1 を表する頃日の記事を以下に書き置きましょう。

両記事が伝えるにM1は米国の腕時計メーカーに出自を持つファッションブランド Fossil[K6・追8] が販売し、矢張り特徴としてデザイン的に纏まっており普段使いにも申し分ないとしています。 更には後者は実際にプレプロダクトを入手の上一週間程使用していますから参考になるでしょう。

New York Timesの記事には後半に集積回路のメーカーのトップに君臨し続けるインテル社の新アイテムも紹介されます。 My Intelligent Communication Accessory を略したとされる呼称を持つ MICA は女性のためのラグジュアリー・スマート・ブレスレットとされスマートウォッチを主張するものではありませんが 機能はスマートウォッチの其れであるのが以下の記事に紹介されています。

インテル曰く、 MICAはスマートフォンのSMSにリマインダー、アラートのタッチスクリーン画面に知らせる、 となればスマートウォッチ其の物です。 しかし其の発表は2015年春夏コレクションのファッションショーにて 価格帯は1,000米ドル弱と同価格帯の宝石アクセサリー類を意識した物となっているのは他には無い特徴であれば スマートウォッチを表するに醜さを取り上げたSwatch社CEOの眉間の皺は深まるばかりです。

ブレスレットタイプとなればGPS機器メーカーとして知られる Garminガーミン 社の vivofit が知られる処だと思います。 ガーミン社は1989年に米国で創業された企業でアウトドア市場を主にマーケットとしますから幾分質実剛健な印象もありつつ 其の流れにスポーツ用品として、此れもSwatch社CEOの気にしていたフィットネス機能を主にvivofitが販売されたのは、NIKE社[K4] と同じ方針が窺え、此れも一つの類いの出自として宜しかろうスマートウォッチであるでしょう。 此のガーミン社が世に送り出す新アイテムが Vivosmart にて以下に孰れも昨日2014年9月4日配信の紹介記事を列挙します。

ガーミン社のみならずNIKE社も此の手の商品に於いては 運動する際に身に付ける前提のスポーツ用品の機能性として軽さを求められますし、 出来るだけ凹凸を控えたデザインが求められますから、 自ずとフィットネス機能に絞った限定された機能の提供に留まるのが常でしたが、 Vivosmartは従来の機能性其の侭にスマートウォッチに寄せたプロダクトとして登場しました。 一定の利用者層には不満だったスマートフォンとの連携の向上が図られた訳です。

今回のスマートウォッチ登場の大波に先鞭を告げた韓国メーカー[K2] に遅れてはならじと台湾のPCメーカー ASUS 社が発表したのが同社の押し進めるブランドとして浸透する禅を冠した ZenWatch にて、以下に同社プレスリリースと其れを受けたオンラインメディアの紹介記事を挙げ置きます。

ASUS社に取って初のウェアラブルデバイスとなるZenWatchは 大画面ながらも曲面ディスプレイでデザイン性を損なわないよう仕上げられており 四角形の角を落とし上下の幅を些か絞った其のシェープは言って見れば腕時計界に伝統的な トノー型 の印象も与えます。 基本ソフトウェアにはLG社の G Watch R と同じく Android Wear が採用されており今年中には約199ユーロ、及び約260米ドルの値付けを以て販売を予定しているとのことです。

そしてスマートフォンのXperiaも好調な本邦ソニー社もIFA2014開催前発表イベントで基本ソフトウェアにGoogle社の Android Wear を採用し、曲面型電子ペーパーを採用したブレスレットタイプの SmartBand Talk と、此方は従来型で解像度360×360の1.6インチ液晶タッチパネル画面を搭載したスマートウォッチ SmartWatch 3 のウェアラブルタイプ2機種を発表しました。 今秋の発売とされています。 以下に関連記事を記し置きましょう。

本日本記事配信に当たってはまたウェアラブルコンピュータ用基本ソフトウェアのAndroid Wearの本家モトローラ社から MOTO 360 が250米ドルにて発売[※2] されスマートウォッチ勢の数だけ見ても扱い切れない程の登場にスイス腕時計界ならずとも当惑するばかりですが 近く此の新アイテムについてもかたむき通信に紹介記事をものしたく考えています。

追記1(2014年9月6日)

本記事末尾に予定の通り、と言うよりはIFA2014開催に依って怒涛の如く押し寄せるスマートウォッチ関連情報の波にも呑まれ 発売と同時に売り切れたMOTO360に関する記事を急ぎ MOTO360の売り切れとAndroid Wearのアップデート として配信しました。

追記2(2014年9月7日)

IFA2014にスマートウォッチが続々登場する状況下にネットメディアEngadgetが2014年9月6日興味深い記事を二つ配信しました。 一つはスマートフォン供給メーカーが軒並みスマートウォッチ分野に進出する中、 台湾の情報機器メーカーHTCの音沙汰がないのに言及する記事[※3] でコメントの要求にも応じない同企業がしかしスマートウォッチ分野の勝者にならぬとも限らぬ旨主張され IFA2014を機に同分野の混沌さの増した状況を表す内容とも受け取れます。 もう一つはアメリカの女性ファッションデザイナー Rebeccaレベッカ・ Minkoffミンコフ日本サイトは2015年9月1日付で日本総代理店を 株式会社サンエー・インターナショナルから ユニット&ゲスト株式会社に移管されるにつけ閉鎖されています。) の発表した敢えてスマート・ブレスレットと表現される新アイテムについての記事[※4] でハイテク且つファッション性も高い2タイプは本記事にも記したインテル社のMICAにも似てもおり 其々に異なるスマートウォッチ的機能性を有する旨紹介され、其の情報ソース[※5] を辿れば2014年9月5日に発表されるも其の場はIFA2014にはなくニューヨークファッションウィークに於いて 同社の2015年春コレクションの一つとして扱われたのが実に示唆的でしょう。

追記3(2014年9月19日)

第2次大戦以降腕時計界に存在感を失った米国もスマートウォッチと言うエポックメークな新分野の勃興に当たっては 本記事内にも挙げた如く2014年9月9日に Apple Watch を発表したアップル社を筆頭としてフォッシル社、ガーミン社にナイキ社と錚々たる面々が名乗りを挙げています。 其の米国勢に有って遅れてはならじとする腕時計メーカー Timexタイメックス 社のスマートウォッチ Ironman One GPS+ を紹介する記事[※6] を2014年9月18日にオンラインメディアCNETが配信しました。 従来のスマートウォッチの評判通りの無骨なデザインながら スマートフォンを常時携帯せずともキャリアを通して連携可能と言う興味を惹く機能が搭載されています。 此の秋米国とカナダにて399米ドルで販売開始されると言う此の機種のレビュー記事[※7] もCNETが遡ること8月6日に配信していますので興味を持たれた向きは参照なされるのが宜しいでしょう。

追記4(2014年9月20日)

スマートウォッチはソフトウェア的にも進化を遂げつつあり其れは本記事冒頭に登場したスマートウォッチベンチャーの雄 Pebbleペブル も例外では有りません。 ネットメディアengadetの伝える処[※8] です。 ペブルのスマートウォッチは最新のファームウェアアップデートにて日本発祥の 絵文字 を表示させ、またスマートフォンからの通知を切られるように改変されました。 加えて通知センターの機能としてApple社の2014年9月時点で最新のモバイル基本ソフトウェアiOS8との互換性を取ったとも伝えます。

追記5(2014年9月24日)

2014年9月19日の追記にタイメックス社スマートウォッチがスマートフォンとの連携なくして機能する旨紹介しましたが スマートウォッチ単独で存在させ得る機能改変は一つの潮流でもあるようで 其れは既存の大手企業のみならずベンチャーに於いても言い得るようです。 腕時計及びスマートウォッチ分野にてはお馴染みのクラウドファンディング Indiegogo を利用したプロジェクトに EPIC Watchphones が2014年9月22日に公開[※9] されました。 大ヒットSF Star Trek に描かれた未来的コミュニケーションを実現してしまおうと言うもので 腕時計に電話機能を全て詰め込む試みが謳われています。 敢えてウォッチフォンと名付ける処に自負が窺え ペブル、スマートウォッチ2、エージェントとの対比表も設けられています。 資金目標は5万米ドルにて2014年10月22日を期日として設定されており 興味深いプロジェクトとは思われるものの残念ながらロケットスタートとはなっていないようですが 潮流の一つの証左とはなるものでしょう。

追記6(2014年11月12日)

本記事に紹介したスマートウォッチもショーから2箇月余りを経て、愈々実際に入手が可能となって来ました。 Garminガーミン 社の vivosmart は未だ日本での正式な発売には到りませんが本拠を置く米国ではGarmin社直々( vivosmart )及び米アマゾン( Garmin Vivosmart - Berry (Small): GPS & Navigation )経由などで入手可能となっており、レビュー記事[※10] も実物を矯めつ眇めつして充実して来ており、 長所短所確り挙げた上で例の少ないスマートウォッチとフィットネスバンドの高次元の融合として高く評価されています。 またソニーの SmartWatch 3 も2014年11月11日に発売され、発売当日に紹介記事が2本[※11・12] 配信され両記事揃って防水で250米ドルなる情報を主に伝えていますが、 日本では2014年11月12日現在、ソニー公式ストアに2機種の内 SWR50 B が近日発売にて予約受付中と謳われもう1機種 SWR50 G 2015年1月以降発売予定とされており値段は共に24,880円+税とされています。

追記7(2018年3月18日)

Google社の自社スマートウォッチOSの名称を Android Wear から Wear OS by Google へ変更する旨の公表について2014年9月6日の記事 MOTO360の売り切れとAndroid Wearのアップデート に追記し配信しました。

追記8(2020年4月18日)

Pebbleペブル は2016年12月7日付で Fitbitフィットビット[K5] 社に買収され[※14] Webサイトは閉鎖されており、 又、其のFitbit社もGoogle社が水面下で進んでいた買収話を、去年2019年11月1日に世評に強いられて発表[※15] しました。 Fitbit社の売価は2,300億円ですが、Google社は其の年2019年初頭1月には別に44億円掛けて Fossilフォッシル[K6] グループのスマートウォッチ知財を買収[※16] してもいます。 上記した[追7] 様に Wear OS を擁し、Apple Watchの成功に刺激された、 Androidスマートウォッチを展開するGoogle社の本気が伺えますが、 スマートウォッチ業界がアップル社とGoogle社を中心に渦を巻く奔流に再編淘汰が進んでいるとも言えます。 此の流れに押し流されたのか、 MetaWatch は運営が移管された現在は、電子メールの自動返信により業務を停止している状況[※17] が窺えます。 ところが其の様な渦中にあって面白い現象が見られるのが3年半前に買収された筈の Pebbleペブル です。 Fitbit社はペブルの技術とユーザーを取り込み、ブランド自体は幕引きさせる方針ですが、 買収前のペブルガジェットを好んで止まない面々が其の復活を目論んでいる[※18] のでした。 其の中心人物はペブル開発者の一人、Katharine Berry氏で、 元開発者や元雇用者は謂うに及ばす熱狂的ファンをも巻き込んで Rebbleペブル Alliance同盟 を組織し、関連情報のドキュメント化と失われた部分の再構築に鋭意努力を重ね、 ファームウェアをリバースエンジニアリングして迄もいる様子が伝えられます。 電子的ガジェットのスマートウォッチと言えど、其処は機械式腕時計の流れを汲み、趣味性の強い分野であるのが知れる現象であるかに思います。

使用写真
  1. IFA Berlin 2006( photo credit: James Cridland via Flickr cc
かたむき通信参照記事(K)
  1. SWATCHの憂鬱~スマートウォッチショック(2014年8月27日)
  2. スマートウォッチ勢の大攻勢〜LG G Watch R、Samsung Gear S、そしてiWatch(2014年8月29日)
  3. GBA-400~CASIOのスマートウォッチへの解答(2014年8月2日)
  4. 第6世代iPod nanoをスラップ腕時計にするリストバンド(2013年1月12日)
  5. ペット産業に最適化されるウェアラブル端末(2015年1月30日)
  6. インテルとフォッシルの醜い真実への挑戦(2014年9月8日)
参考URL(※)
  1. Intel and Opening Ceremony Collaborate on MICA, a Stylish Tech Bracelet(NYTimes.com:2014年9月3日)
  2. Moto 360 smartwatch on sale today for $250, metal versions coming this fall(Engadget:2014年9月5日)
  3. HTC reportedly pulls the plug on its smartwatch(Engadget:2014年9月6日)
  4. Rebecca Minkoff's smart bracelets place emphasis on style and luxury(Engadget:2014年9月6日)
  5. RM x Case-Mate(Rebecca Minkoff:2014年9月5日)
  6. Check out the Timex Ironman One GPS+ smartwatch(CNET:2014年9月18日)
  7. Timex Ironman One GPS+ Preview(CNET:2014年8月6日)
  8. Pebble now displays emojis and lets you dismiss alerts from your watch(Engadget:2014年9月19日)
  9. EPIC Watchphones: The Smartphone Reinvented(Indiegogo:2014年9月22日)
  10. Garmin Vivosmart review: where fitness band meets smartwatch(Engadget:2014年11月10日)
  11. Sony waterproof SmartWatch 3 surfaces for $250(CNET:2014年11月11日)
  12. ​Sony's waterproof SmartWatch 3 is on sale now for $250(Engadget:2014年11月11日)
  13. SmartWatch 3「SWR50」(ソニーの公式通販サイトSony Store)
  14. Fitbit、Pebble買収を正式発表 Pebbleブランドの端末は終了(ITmedia NEWS:2016年12月8日)
  15. GoogleがFitbitを約2300億円で買収(TechCrunch Japan:)
  16. Google、Fossilのスマートウォッチ知財を4000万ドルで買収へ(Engadget日本版:2019年11月2日)
  17. MetaWatch(Wikipedia)
  18. 消えたスマウォ「Pebble」。熱狂的なファンたちの手で不死鳥のごとく復活(ギズモード・ジャパン:2019年10月24日)
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