ルネサスのリストラが進み存在価値を認められNEC逆救済の可能性も

株式上場についてNECが東京証券取引所以外の廃止を決定したことをかたむき通信に伝えた[K1] 際、何やら今迄と状況が変わりつつある状態が見えたのが ルネサスエレクトロニクス株式会社 でした。 官民一体となって同社を救おうという雰囲気が醸成されつつあるのです。

かたむき通信にはルネサス社の苦境をそのリストラに限っても、 6,000人削減[K2] 、削減人員1万人超[K3] 、リストラ策[K4] とその波紋[K5] などを伝え、その影響力を垣間見てきたのですが、 それは取引先に取っても同様、それ以上に深刻な問題であったようです。 ルネサス社は家電や自動車などの制御に使われるマイコンの世界シェアに於いて首位であれば これが物理的距離も近い肝胆相照らし得る国内にあれば掌中の珠ともなる訳です。 この日の丸半導体企業を取引先から失うことは国産メーカーに取っては 由々しき事態であるのは容易に想像がつきます。

その存亡を賭けたリストラ策は粛々と進められ 例えば青森県に於いてはグループ会社の 株式会社ルネサスハイコンポーネンツ (2019年11月19日現在 ハイコンポーネンツ青森株式会社)は香川県高松市の電子機器メーカー アオイ電子株式会社 へ譲渡額は非公表ながら従業員はほぼそのままに引き継がれること[※1] となりました。 売却後も取引関係は保たれるとされています。 また同時に子会社のルネサス東日本セミコンダクタの営業事業の一部も譲渡されています。

危機に瀕したルネサス社の状況を目の当たりにし、 それを失った際の自社への影響が慮られる中に徐々にその存在感が浮かび上がる中にも 整理が進むのも伺えれば失いたくないのは道理、 その上外資が獲得を狙っているとなれば尚更でしょう。 此処に至って冒頭に記す官民挙げての救済活動が盛り上がる事態が招かれたのでした。

ブルームバーグが事情に詳しい関係者2人へ取材した際[※2] 明らかにされたのが、ルネサス社への支援策として 検討されている出資額が2,000億円規模であること、 今年11月にも正式提案され合意が目指されることでした。 支援者側として名が挙がるのが以下、 孰れ劣らぬ大手であるのが見えます。

  • 産業革新機構
  • トヨタ自動車
  • パナソニック
  • 日産自動車
  • デンソー

これによりまた期待されるのはルネサス社母胎3社の内の1社として株式を 35%保有するNECにも好影響が出るのが期待されることです。 一時はルネサス社がNECを道連れにしかねない[K6] と懸念されもした状況が逆にルネサス社がNECを救済するとなれば これほど痛快な話も近年聞かないものです。

追記(2018年6月1日)

順風満帆とは言い難くも業績の改善が見込まれるルネサス社に比べ、 道連れを憂う処か救済を願うべく事態のNEC社である様で、 正に出来るものならルネサス社に救済を願い出たくもあるのかも知れません。 NEC社が通信機器事業からも撤退及び、追加リストラ3,000人敢行との情報を得て本ブログ2012年7月21日の記事 株価初の100円割れNEC危機的評価~LaVie Zは復活の尖兵となり得るか に追記し配信しました。

かたむき通信参照記事(K)
  1. 形振り構わぬNECが東証以外上場廃止(2012年9月28日)
  2. ルネサスエレクトロニクス、6,000人削減リストラ策等伝える一部報道に拒否反応示す(2012年5月22日)
  3. ルネサス社リストラ1万人超~否定の報道以上に拡大(2012年5月26日)
  4. ルネサス社2012年7月3日発表予定リストラ策推測報道まとめ(2012年7月3日)
  5. ルネサス社7月3日発表のリストラ策が巻き起こす波紋(2012年7月5日)
  6. ルネサスがNECを道連れにしかねない模様(2012年7月17日)
参考URL(※)
  1. ルネサス、青森の子会社売却へ アオイ電子に全株譲渡(河北新報社:2012年10月13日:2019年11月19日現在記事削除確認)
  2. ルネサス:官民の出資2000億円に、11月の合意目指す-関係者(ブルームバーグ:2012年10月13日:2019年11月19日現在記事削除確認)
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